2.治療法について説明します

a)ヘルニアを治すには
治療法は手術をするしかありません.ヘルニアという病気の説明で示したように,この病気は腹壁の欠損が原因です.だからお薬では欠損部は修復されません.ヘルニアの脱出を避けたければ一時的に手で押さえているがヘルニアバンドで押さえるかしか方法はありません.

b)後壁補強の方法(隙間の閉鎖法)には古来各種あります

c) 各種ヘルニア手術の特徴

このように各手術法は特徴がありますが術後入院期間は手術に伴う患者様の負担の大きさに比例するとお考え下さい.
すなわち
a) は周囲の強靭な組織を無理に引き寄せて隙間をふさぐので,「ツッパリ感」が残る.b)は隙間に異物を入れるので違和感が残ることがある.c)はどちらの欠点も防ぐことができるが,全身麻酔を行わなければならないけれど,患者様のからだへの負担は最も少ないということです,


この方法は隙間の周囲から強固な靱帯を引っ張りよせるので,術後しばらくその痛みが残る特徴があります.

隙間を引っ張ることがないので,術後の疼痛は少ないのが特徴です,ただ隙間に人工物(プラスチックの網製品)を詰め込むので,時に違和感が出る方がおられたり,これが突出してくる方がおられます.

筋肉の引っ張り感も,異物の違和感もなく,4pの傷をつけることもなく,理想的な手術と言えますが a),b)の方法と異なり全身麻酔で行う必要があり,全身状態の不良な方には不向きです.